Vol.063

白石川沿いの桜並木で知られる大河原町。豊かな自然が息づくこの町では、近年オープンした新しいお店と、昔から地元で愛されてきたスポットが個性的な魅力を生み出しています。今回は、そんな大河原ならではの出会いや体験をご紹介します!
※記載の情報が現況と異なる場合がございます。お出掛けの際には事前にご確認ください。
※価格はすべて税込です。
大河原駅から徒歩約15分。大河原郵便局のすぐ近くにあるコーヒースタンド「HELF」。木の温もりが感じられるお店には、手作りの焼き菓子やパン、こだわりのコーヒー豆、旬のフルーツで作るジャムなどが並べられています。
「お母さんが手作りするやさしいスイーツをイメージして、できるだけ添加物などを使わないようにしています」と話すのは、小島寛子さん。夫の武さんと工務店を経営しながら、金曜と土曜にこのお店を開いています。
腸もみのリラクゼーションサロンを運営してきたセラピストでもあり、健康づくりを大切にしている寛子さん。その知識と経験は、近隣地域でとれる新鮮な農産物など、からだにやさしい素材選びにしっかりと活かされています。
焼き菓子やパンづくりを担当しているのは、工務店の社長でもある武さん。パンや焼き菓子づくりが好きだと言い、「自分の作ったお菓子を見て、お客さんが喜んでくれる表情がうれしいんです。本当は毎週メニューを変えたいくらいです!」と話します。
HELFでは、ドリンクにもこだわっています。コーヒーはオーガニックの豆を中心に、季節ごとのオリジナルブレンドからカフェインレスまで幅広くラインナップ。さらに、ハーブの専門知識を持つ寛子さんがセレクトしたハーブティーも取り揃えていて、好みや気分に合わせて楽しく選べます。
元々コーヒー好きで、「いつか自分の店を開きたいと思っていました」と振り返る寛子さん。コロナ禍をきっかけにコーヒースタンドを構想していたところ、現在の物件と出会いました。「想像していたよりも、だいぶ広い場所でしたが……」と笑う寛子さん。「私たちが本当に大切にしたい“手づくりでやさしい食べものや飲みもの、そして“人が集まる場づくり”を丁寧に提供していきたいと考えました」と話してくれました。
また、「さまざまな食べ物や機会を通じて日常の中に安心できる瞬間や楽しみを届けていきたい」との思いから、店内でハーブのワークショップやフラワーアレンジメント、陶芸などのイベントを不定期で開催。月に1、2回は外部イベントにも出店しています。HELFの手作りスイーツやコーヒーで、日々の暮らしにささやかな豊かさを加えてみてはいかがでしょうか。
宮城県柴田郡大河原町新南37-1[ 地図 ]
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Tel. 080-9634-0347
1996年のオープン以降、音楽や演劇、舞踊、美術など、さまざまな芸術と出会い、地域の人たちが自ら表現を楽しむための場所として親しまれている文化拠点「えずこホール(仙南芸術文化センター)」。“えずこ”とは東北地方で乳児を育てるためのわら製のかごのこと。地域文化を育み、感動を生み出すゆりかごでありたいという思いが込められています。
メインとなる「大ホール」は、多様な公演に対応し、音響特性に優れた“シューボックス型”。天井を高くし、クラシックコンサートにも対応できる豊かな響きを追求しています。また舞台をあえて低めに設計し、客席からの視界を広く確保することで、ステージとの一体感や臨場感も大切にしています。客席は1階584席、2階218席の計802席。長時間の公演でも疲れにくい座り心地のイスを採用し、床暖房も備えるなど、細やかな配慮が行き届いています。
またホールの意匠も見どころのひとつ。正面玄関の扉は蔵をイメージし、梁や格子天井には東北の民家の趣が表現されています。ホワイエの壁面には火焔土器をモチーフにした照明が配置され、あたたかみと格調のある雰囲気が漂います。
もうひとつの特徴的なスペースが「平土間ホール」です。床には大小2つの電動昇降ステージが備えられており、センターステージやT字型ステージなど、用途に応じてレイアウトを自在に変えることができます。そのため約300席規模の公演から、実験的な演劇、コンサート、映写会、パーティー、展示会まで、多彩な使い方が可能です。
さらにステージ奥のサッシを開放することで、外にある「屋外劇場」と一体化した空間に。屋内外がつながる、斬新な演出表現も実現できます。
また、地域の人たちが日常的に集い、創作活動に打ち込める拠点として、大小3つの練習室を完備。防音対策もしっかり施されており、グランドピアノやバンドセット(ドラムス・PA・アンプ類)を備えた練習室も。音楽・演劇・ダンスなどの練習のほか、講座や打ち合わせ、サークル活動の場としても人気です。
プロのステージから地域住民の発表会、学校行事や地域イベントまで、さまざまなシーンで利用されているえずこホール。芸術や文化に触れたいときに、ぜひ足を運んでみてください。
宮城県柴田郡大河原町字小島1-1[ 地図 ]
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Tel. 0224-52-3004
東北自動車道・白石ICから車で約15分。源泉かけ流しのお湯を楽しめる日帰り温泉施設「おおがわら天然温泉 いい湯」は、ブランド豚肉「和豚もちぶた」の精肉やハム・ソーセージ、手作りの惣菜品、地元の農産物などを取り揃えた直売所「とんとんの丘 もちぶた館」に併設しています。
館内に一歩足を踏み入れると、そこは古民家風の落ち着いた空間。木の香りとぬくもりに包まれ、どこか懐かしさを感じる雰囲気に満ちています。
露天風呂と大浴場を備えた浴室は、石造りの「石乃湯」と木の質感が心地いい「木乃湯」の2タイプ。週替わりの男女入れ替え制で、それぞれに異なる雰囲気が魅力です。泉質はアルカリ性単純温泉・低張性アルカリ性温泉で、やわらかい湯ざわりが特徴。源泉かけ流しのお湯が肌をやさしく包み込み、入浴後はつるつるとした感触に。「美肌の湯」とも呼ばれ、筋肉痛・腰痛・関節痛・冷え性・疲労回復などの効能も期待できます。
また、それぞれの浴室には露天風呂が設置されており、四季折々に表情を変える周囲の自然を眺めながら、くつろぐことができます。
温泉の後は「食事処 四季彩」で、腹ごしらえを。人気メニューは自社農場で愛情込めて育てられた「和豚もちぶた」の「とんかつ御膳」(1,250円)や「ひれかつ御膳」(1,400円)。もち肌のようにきめが細かく、やわらかいお肉は、さっぱりとした脂や旨味が特徴で、疲労回復や美容に効果のあるビタミンEも豊富です。
その他にも「肉うどん」(900円)や「肉めし」(1,000円)といった季節限定のメニューも登場。大河原町産の米で造られ、ここだけで購入できる「どぶろく」などのお酒も用意されており、地元の味覚を味わい尽くすことができます。
館内には、人数や用途に応じて利用できる個室や大広間もあり、家族での食事会や親しい仲間との集まり、会社の宴会などにも対応。お昼限定の「松花堂御膳」付き個室プラン(予約制・2,000円~)もあり、温泉と食事をゆっくり楽しみたいときにぴったりです。
オープン20周年を迎える2026年3月には、節目に合わせた特別なイベントも開催予定。源泉かけ流しの温泉と旬の味わいを満喫して、日頃の疲れをじっくりと癒してみてはいかがでしょうか。
宮城県柴田郡大河原町新寺北185-11[ 地図 ]
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Tel. 0224-51-5110
大河原町の白石川沿いに賑わいを創出するプロジェクト「RE:BORN SHIROISHI RIVER PROJECT」の第1弾として、2022年4月に白石川右岸河川敷にオープンしたマウンテンバイクパーク「OGAWARA MTB S-PARK」。
名称の「S」には、Sakura(桜)、Shiroishi River(白石川)、Sports Park(スポーツパーク)の意味が込められており、“日本初の河川敷MTBパーク”として、ランニングバイク※に乗る子どもからMTBを乗りこなす本格派まで、誰でも楽しめるスポットになっています。
※ペダルがなく、足で地面を蹴って進む子ども向け自転車のこと。
コースレイアウトを監修したのは、MTBプロライダーで「みやぎ仙南サイクルツーリズムアンバサダー」も務める井手川直樹さん。スポーツサイクルにあまり馴染みのない人にも魅力を知ってもらいたいという思いから、初心者でも安全に走ることができるようにコース設計されています。
コースは全部で4種類。さまざまなセクションを備えた練習コース「スキルアップエリア」には、コブやウッドセクション、一本橋などが配置され、バランス感覚やテクニックを段階的に身につけることができます。
また「パンプトラック」は、コブやテーブルトップ、バンクを組み合わせた約150mのコースが2本設けられています。
より本格的に走りたい人には、左右対称レイアウトの「ショートトラック」(約100m×2)がぴったり。タイトなカーブやアップダウンのあるコースは、スピードコントロールやコーナリングなど、MTBならではのテクニックを試すのにうってつけです。
また、小さなお子さま向けの「ランニングバイクエリア」も整備されています。ランニングバイク専用コースですが、未就学児であれば自転車での走行もOKなので、自転車デビューにもおすすめです。
土日・祝日にはマウンテンバイクやランニングバイクのレンタル(大人1時間200円、子ども1時間100円、延長1時間100円)も行っており、初心者でも気軽にチャレンジできます。白石川沿いの開放的なロケーションで、風を切って走る爽快感をぜひ感じてみてください。
宮城県柴田郡大河原町大谷字川端[ 地図 ]
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Tel. 0224-87-8040(大河原町役場 スポーツまちづくり推進課)
2016年のオープン以来、幅広い年代に愛され続けているクレープ専門店「cafe&crepe Chill Bon」。クレープの大きな特徴は、生地にミネラルやビタミン、食物繊維、ポリフェノールなどを多く含み、高たんぱくで血糖値が上がりにくいといわれる全粒粉を使用していること。卵をふんだんに使用し、しっかりメレンゲを立てて作った生地はふわっと軽い食感で、スタッフの平間さんは「お客さんには『まるでケーキみたい!』とよく言われます」と話してくれました。
お店ではクレープに包む食材も厳選。「なるべく地産地消のものにこだわっています」と平間さん。亘理町のいちご、蔵王町のブルーベリー、栗駒産の新鮮な卵など、宮城県産や大河原周辺の食材を中心に使用。農家から直接仕入れることも多く、休日には食材探しに出かけることもあるそうです。
さらに、甘さ控えめの自家製生クリームやカスタードなども手作り。自家製チョコレートソースには、国際規格を満たしたクーベルチュールチョコレートを使用しており、チョコレート本来の口溶けと香りを楽しめます。
定番から旬のフルーツを活かした季節限定の味まで、クレープは全部で30種類以上。その中で一年を通して人気なのが、亘理町のいちごをふんだんに使ったクレープです。「いちごチョコ生クリーム」(680円)は、たっぷりのいちごに自家製チョコソースを合わせた一品で、見た目はまるで花束のよう。いちごの酸味と甘さを抑えた生クリーム、チョコソースがマッチして、最後の一口までおいしく食べることができます。平間さんは「お店のクレープは甘さを控えたものが多いですね。それも理由のひとつなのか、お客さんの半分は男性なんです」と教えてくれました。
また、クレープの中にカスタードとパイが入った「ミルフィーユ」(630円~)や、自家製はちみつレモンが入った「はちみつレモネード」(420円)、深煎りのホットコーヒー(280円)なども人気です。
週末にはキッチンカーでさまざまなイベントにも積極的に出店しており、さらに2026年2月には大河原駅前に新店舗のオープンも予定。平間さんは「一度食べていただければ、おいしさがわかると思うので、ぜひお試しください!」とメッセージを寄せてくれました。
宮城県柴田郡大河原町広表29-17-2[ 地図 ]
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Instagram:https://www.instagram.com/chillbon_crepe/
東北本線・大河原駅から車で10分ほど、グリーンホテル大河原のすぐそばに建つ「大河原バル E-to」は、大河原町で初めての“和バル”スタイルのお店として2017年にオープンしました。白い外壁と黒い屋根が目を引くスタイリッシュな外観ながら、店内に一歩入ると木の温もりが感じられる落ち着いた空間になっており、地元はもちろん、白石や仙台方面から足を運ぶファンも多い人気店です。
オーナーシェフの伊藤伸也さんは白石市出身。和食店で経験を積んだのちイタリアで修業し、帰国後は洋食店で腕を磨きました。その経歴で培ったノウハウを活かし、和食と洋食それぞれの技術やエッセンスを取り入れたメニューがお店の自慢。見た目にも楽しい料理を提供しています。
ランチタイムには「日替わりパスタ」(1,280円)や和風仕立ての「ローストビーフ丼」(1,280円)など、多彩なメニューがラインナップ。そのなかでも人気なのが、スープ・サラダ・ワンドリンクが付いた自家製ハンバーグのセット(1,280円)。熱々の鉄板で運ばれてくるふっくらジューシーなハンバーグは、肉の旨みがぎゅっと詰まった看板メニュー。ソースはデミグラス・ジンジャーソース・イタリアントマトの3種類から選べます。
夜になると、店内はぐっと大人の雰囲気に。宮城の日本酒や多彩なワインとともに、季節の一品料理をじっくり味わえます。仙台せりと角田産・野田鴨のせり鍋(予約制)をはじめ、近隣の農家から仕入れる新鮮な野菜を使ったメニューなど、地域の食材の魅力を活かした逸品が揃っています。カウンター席では、オープンキッチンの伊藤さんとの会話も楽しめます。
日々のランチやディナーはもちろん、パーティーなど特別な日の集まりにもぴったりのE-to。和と洋の“いいとこ取り”の料理と心地よい時間を、ゆっくり堪能してみてはいかがでしょうか。
宮城県柴田郡大河原町字広表52-15[ 地図 ]
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Tel. 0224-87-6904
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