みやとりっぷ
Vol.024

雄大な自然が広がる加美町で、
特色ある文化や地元の味にふれる旅。

宮城県の北西部に位置する加美町。町のシンボルとして人々に親しまれている薬莱山をはじめ、雄大な自然が広がるこの地域には、特色ある文化施設や個性あふれる店舗が点在しています。観光の秋、加美町ならではの魅力にふれてみてはいかがでしょうか。

※新型コロナウイルス感染拡大により、記載の情報が現況と異なる場合がございます。お出掛けの際には事前にご確認ください。
※価格はすべて税込です。

このページでご紹介するスポット

  1. 田んぼの中のコンサートホール「中新田バッハホール(中新田文化会館)」
  2. 大正ロマン漂う旧校舎でワーケーションも「中新田交流センター」
  3. 地元商店街の人気商品がずらり「食彩市場 みやざき どどんこ館」
  4. 謎多き陶磁器に迫る「ふるさと陶芸館・切込焼記念館」
  5. 昔ながらの手作り団子に舌鼓「あさりん」
  6. 薬莱山の麓に虹色の花畑が広がる「やくらいガーデン」

田んぼの中のコンサートホール
「中新田バッハホール(中新田文化会館)」

1981年に国内初の町営クラシック専用ホールとして開館した「中新田バッハホール(中新田文化会館)」。“田んぼの中のコンサートホール”として地方から文化を発信する姿勢が注目を集め、全国各地に広がった公立の専用ホール・劇場の先駆け的な存在となりました。

施設に足を踏み入れると、そこは三面にステンドグラスが飾られたホワイエ。クラシック音楽の資料などが展示されており、開演に向けて気分を高めることができる空間です。

最大収容684席を誇るホールの最大の特徴は、国内外有数の音響設備。クラシック音楽の中でも室内楽に的を絞った設計になっています。

音響設計には国内唯一の放送技術全般の研究所である「NHK総合技術研究所」が携わり、客席やステージの壁面、天井の形状などを追求。さらに客席後方にはホールの残響時間を調節できる残響可変装置を設置するなど、さまざまな楽器や曲目に適した空間をつくりだすだけではなく、講演会などの際も目的に適った音の響きを演出できます。

ステージ中央にそびえるのは、コンサートホールの象徴でもある大きなパイプオルガン。バッハ作曲の音楽の演奏に欠かすことができないこの楽器は、その音色が高く評価されています。

ホールでは国内外の著名演奏家のコンサートや、市民オーケストラ「バッハホール管弦楽団」の演奏会が開催されています。ぜひ、芸術の秋に一流のホールで上質な音楽に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

中新田バッハホール(中新田文化会館)

宮城県加美郡加美町字一本杉101[ 地図

HP:https://www.town.kami.miyagi.jp/kanko_sports_bunka/bunka_geijutsu/12/index.html

●お問い合わせ

Tel.0229-63-7367

大正ロマン漂う旧校舎でワーケーションも
「中新田交流センター」

開校54年の歴史を閉じた旧鳴瀬小学校の校舎を改修し、宿泊研修施設として開放している「中新田交流センター」。施設では農業をはじめとする産業、教育、芸術、文化、スポーツなど、さまざまなテーマを通じて、交流を深めることができます。

ノスタルジックな建築意匠の木造校舎は、建物正面のポーチや大きな窓などが特徴的なコロニアルスタイルと呼ばれるもの。校舎内の教室やホールなどの各設備は、さまざまなシーンで活用することができます。

かつての教室は研修室に。個人の仕事から大人数での研修やオンラインミーティングに活用できます。その横には、まっすぐ伸びる廊下が。子どもたちの足音や笑い声が聞こえてきそうな、昔懐かしい雰囲気です。

2階の一室には、中新田(現加美町)出身の墨絵画家・河合墨雪の作品を展示している「墨雪墨絵美術館」が常設。さらに広々とした展示ルームは、個展やサークルの展示会、発表会などに活用されています。

全9室設けられた客室は、まるで本格的な旅館のよう。木枠の大きな窓からは校舎の前に広がる芝生や木々を眺めることができます。

校舎には体育館も隣接しており、スポーツ合宿などに最適。最近では新型コロナ対策として家族だけで貸し切って利用する方もいるそうですので、お出かけの際にぜひご利用ください。

中新田交流センター

宮城県加美郡加美町下新田字松木3[ 地図

HP:https://www.town.kami.miyagi.jp/soshikikarasagasu/sangyoshinkoka/kanko_tokusan/4/521.html

●お問い合わせ

Tel.0229-63-3113

地元商店街の人気商品がずらり
「食彩市場 みやざき どどんこ館」

加美町宮崎地区の商店街で一際目を引く、大きな「どど」の文字。ここは2017年にオープンした「食彩市場 みやざき どどんこ館」です。ユニークな施設名の理由を、施設を管理する荒木さんが教えてくれました。「この地域の人たちは、昔から『熊野神社例祭』で奉納される獅子舞のことを『どどんこぱっく』と呼んでいます。「どんどん」という太鼓の音と、「ぱくっ」という獅子がくわえる音が語源です」。施設名にはそんな獅子舞のように、地元の人に愛されるようにという願いが込められています。

施設には周辺地域の新鮮な朝採れ野菜をはじめ、商店街で販売されているお菓子や食品、工芸品などが並んでいます。「ここは商店街の拠点施設として建てられました。そのため地元の店の商品を多く取り揃えているのが特徴です」と荒木さん。

お店で一番の売れ筋商品が、商店街の三嶋八百屋が手作りするスティックサイズの油揚げ「みみ揚げ(250円)」。土日限定販売の豆腐「みやざきそだち(200円)」は加美町産のミヤギシロメを使っており、すぐに売り切れてしまうほどの人気です。

お菓子では、施設の目の前にあるおかしの越後屋の「くるみゆべし(5個入 500円)」や「かみ~ごどら焼き(200円)」、かつて「バフンケーキ」として愛されたスイーツが復活した「加美ショコラ(380円)」なども購入できます。

施設内のレストラン「里山食堂」では、新鮮なトマトを使ったピザや、つきたてのお餅などがいただけます。

また敷地内にある「まちづくりセンター」の中には、温もりあふれる木の遊具が設置された「木育広場」があり、その場で申し込みをすると、小学生以下の子どもは無料で遊ぶことができます。

「買って、食べて、遊んで」。目的や家族のスタイルに合わせて、たくさんの楽しみ方ができる施設に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

食彩市場 みやざき どどんこ館

宮城県加美郡加美町宮崎字町42[ 地図

HP:https://www.town.kami.miyagi.jp/soshikikarasagasu/sangyoshinkoka/kanko_tokusan/4/920.html

●お問い合わせ

Tel.0229-69-5500

謎多き陶磁器に迫る
「ふるさと陶芸館・切込焼記念館」

江戸時代後期から明治時代の初めにかけて、加美町の切込地区を中心に生産されていた陶磁器・切込焼(きりごめやき)。「文献があまり残っておらず、発掘調査も進んでいないので、開窯の経緯など謎が多い焼物なんですよ」と説明してくれたのは「切込焼記念館」館長の畠山さんです。

記念館の常設展「切込焼・謎と美」には、切込焼の作品が数多く展示されています。仙台藩の御用窯とされた切込焼は、白地に藍色で模様が描かれた染付磁器が主流。温かみのある素朴な風合いが魅力で、庶民向けの日用雑器も大量に生産されていました。

その中で畠山さんが「切込焼のシンボリックな作品」と語るのが、どっしりとしたらっきょう形の陶磁器。記念館では『染付梅に蛸唐草文らっきょう形徳利』などの迫力ある作品を見ることができます。

また、トルコ青・紫・白で彩られた『三彩輪花小皿』は、「東北陶磁の華」と呼ばれ、珍重されています。

常設展の一角には、切込窯の棟梁・山下吉蔵を紹介するコーナーも。関係する作品や資料、出身地である丹後国熊野郡久美浜(現在の京都府京丹後市久美浜)の紹介などにより、その生涯を辿ることができます。

このコーナーで見逃せないのが、畠山さんが「奇跡的に発掘された」という、『染付宝珠龍文丸皿』。皿に山下の名前と「仙臺切込御用瀬戸場」の記述が残り、史料や文献が少ない切込焼にとって貴重な作品となっています。

さらに畠山さんは、「山下が棟梁になったと考えられる時期から、切込焼に龍があしらわれることが多くなったように思います。彼の出身地には龍の伝説があるので、その影響じゃないかと考えています」と興味深い話を聞かせてくれました。
明確な史実がわからない分だけ、あれこれ思いを巡らすことができるのも切込焼の魅力かもしれません。

また、館内には切込焼と加美町の歴史・民俗との関わりについても紹介しています。隣接する郷土文化保存伝習館では、陶芸体験も行っておりオリジナル作品を作ることもできますので、ぜひ足を運んでみてください。

ふるさと陶芸館・切込焼記念館

宮城県加美郡加美町宮崎字切込3[ 地図

HP:https://www.town.kami.miyagi.jp/soshikikarasagasu/furusatotogeikan/700.html

●お問い合わせ

Tel.0229-69-5751

昔ながらの手作り団子に舌鼓
「あさりん」

中新田花楽小路商店街にある、菓子店「あさりん」。「約60年前に初代店主の浅野林蔵が、団子とたい焼きの販売を始めました」。そう説明してくれたのは3代目店主の浅野さん。

同店では昔ながらの方法で手作りされる甘味を中心に販売しています。お店の看板商品は、創業時から受け継がれている団子(80円)。浅野さんは「団子に使っている素材は、それぞれの原料と塩、砂糖のみです。醤油以外はあんこからゴマまで手作りしています」といい、着色料や保存料なども使用していません。

団子をいただくと昔ながらのやさしい甘さと素材の風味が広がり、一人でも全4種類(ずんだ、あんこ、みたらし、ゴマ)を食べられそうな美味しさです。

「時代に合わせて新しいメニューにも挑戦しています」と浅野さん。若い人たちに人気なのが「ワッフル(220円)」です。たっぷりの生クリームとカスタードをボリューム満点のフワフワ生地でサンド。食べ応えのあるスイーツは、ひとつを半分に割ってシェアするのもおすすめ。

店内では地元のお母さん方が「お茶っこ」を楽しんでいたり、おやつ時に高校生や常連客の方などが訪れ、入店早々「ワッフルください!」「まだ団子ありますか」と声をかけ、浅野さんと談笑する様子もみられました。「若い方から力仕事の男性まで来店してくれます。甘い物を食べて、力をチャージしてほしいですね」と浅野さん。

昔から地域密着を大切にしているという同店のメニューは、現地に足を運ばなければ味わえません。ぜひ現地で、手作りのおいしさに舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。

あさりん

宮城県加美郡加美町字南町97-1[ 地図

HP:https://www.asarindango.com/

●お問い合わせ

Tel.0229-63-3261

薬莱山の麓に虹色の花畑が広がる
「やくらいガーデン」

加美町のシンボルとして、美しい佇まいから「加美富士」とも呼ばれる薬莱山。その麓に位置する「やくらいガーデン」は総面積15万平方メートル、栽培植物400種類からなる広大な庭園です。

四季を通して多彩な花々が咲き誇る敷地内は「ローズガーデン」「ハーブガーデン」など、8つのテーマから構成されています。

さまざまな花が各所に咲く庭園は、至る所にフォトスポットも設置されており、思い出づくりに最適です。

これからの季節の一番の見所は、虹色ガーデン「ふるるの丘」。ケイトウ・サルビア・ベゴニアなど、色鮮やかな花々が咲き誇る景色は圧巻です。

花畑の中にはたくさんの写真を撮影する女性たちや、ゆっくりと散策するご夫婦の姿も。

「ガーデンショップ」には、季節の花々にちなんだ品物やハーブティー、施設のオリジナルグッズなどが並びます。

10月中旬から11月下旬はライトアップを開催予定。庭園の壮大なスケールで、星空とキャンドル型ライトが織りなす幻想的な光景を見に行ってみませんか。

やくらいガーデン

宮城県加美郡加美町字味ヶ袋やくらい原1-9[ 地図

HP:http://yakurai-garden.com

●お問い合わせ

Tel.0229-67-7272

加美町のみやとりっぷマップ

みやとりっぷの一覧

ページトップに戻る