Vol.007
今回のみやとりっぷは春のうららかな陽光に誘われて、多彩な花々が咲きそろう柴田町へ。豊かな自然を楽しんだり、歴史を感じる城下町を散策したり…。もちろんおいしいグルメも盛り沢山です!
※新型コロナウイルス感染拡大により、記載の情報が現況と異なる場合がございます。お出掛けの際には事前にご確認ください。
伊達家に仕えていた柴田氏が、明治維新まで居住した山城跡「船岡城址公園」。東北有数の桜の名所としても知られ、見頃の季節になると1,300本以上の桜が咲き誇り、公園の脇を流れる「白石川堤一目千本桜」と共に、宮城県内で唯一「さくら名所100選」(公益社団法人日本さくらの会)に選ばれています。
山の中腹にある駐車場から公園の山頂までは、片道305mのスロープカーが利用できます。毎年桜の開花時期には、桜のトンネルを通り抜けるここならではの体験ができ、町のシンボルである船岡平和観音像が立つ山頂からは、桜色に染まった園内と白石川堤一目千本桜の美しい競演を望むこともできます。柴田町の町並みや蔵王の山々、太平洋の絶景をぜひご堪能ください。
園内には桜以外にも四季を通じて多彩な花々が咲き誇り、夏には紫陽花まつり、秋には菊花展や曼珠沙華まつりも。山本周五郎作のNHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」で一躍有名になった樅の木も高くそびえ立っています。また、白石川堤一目千本桜を歩道橋の上から眺めることができる「しばた千桜橋」へも園内から。豊かな自然を感じながら、散策を楽しめる公園です。
宮城県柴田郡柴田町船岡舘山95-1[ 地図 ]
HP:https://www.skbk.or.jp/sakuranosato/
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Tel.0224-55-2123(柴田町商工観光課)
船岡城址公園内にある観光物産交流館「さくらの里」。「郷土への愛着と誇りを深める交流拠点」をコンセプトに、柴田町の杉や桧で建てられた施設内には売店やカフェコーナー、コミュニティスペースなどが設けられています。地域外からの観光客の方はもちろん、地元の方々が公園でのウォーキングのついでに立ち寄ることも多いそうです。
売店には柴田町産の旬の野菜や果物、名産品などが手に入ります。毎朝並べられる新鮮な野菜は、午前中に売り切れてしまうこともあるのでご注意を。桜をモチーフにした食品やアイテムも盛り沢山で、町のイメージキャラクター・花の妖精「はなみちゃん」グッズは子どもたちに大人気!
木の温もりあふれる「花菜カフェ」やコミュニティスペースでは「さくらジャムソフト(400円 税込)」「果樹園ソーダ(400円 税込)」などを味わうことができます。その中から今回は「さくらソフト(350円 税込)」を。桜の香りが口の中に広がり、春にぴったりのおいしさです。テイクアウトしたスイーツやドリンクなどを片手に、公園内をゆっくり歩くのもおすすめです。
宮城県柴田郡柴田町船岡舘山95-1[ 地図 ]
HP:https://www.skbk.or.jp/sakuranosato/
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Tel.0224-87-7101
城下町の風情が残る船岡地区の中でも一際、堂々とした構えの店蔵があります。1856年、江戸時代安政期に建てられた姿のまま残る「麹やコレクション」です。「屋号の麹やは仙台藩の伊達家・原田家・柴田家に仕えた御用商人です」と説明してくれたのは、麹やを営んでいた平井家の28代目にあたり、店蔵を管理している平井寛一郎さん。「現在、麹やコレクションは週末にレンタルスペースとして開放しており、アートや工芸のギャラリー、ジャズのコンサート、アパレルブランドの販売会などに使用されています」。
店蔵の中には数多くの美術工芸品が保管されており、その数なんと約2,000点!「仙台藩の武士が北海道へ渡る際の費用にあてるため、美術品などを譲り受けたと聞いています」。今回は特別に平井さんに美術品や工芸品、建物の歴史などを案内していただきました。
店蔵は160年以上前に建てられたとは思えないほどの美しさ。平井家の方々が代々、大切に守り、利用してきたことが窺えます。さりげなく飾られている調度品や内装のしつらえも、聞けば歴史的に価値のあるもので驚きです!この日、飾られていたのは約200年前に作られた古伊万里のお皿。さらに伊達政宗公直筆の書状や全国に3本しか残っていない徳川本家の御守り刀など、美術館も顔負けの貴重な品々が目の前に…。「美術館などと違い、展示している時には間近でじっくり観賞していただけるので、その魅力や価値を感じてもらいたいですね」と平井さん。それぞれの保存状態の良さには鑑定士も舌を巻いていたそうです。
また、梁や床に使われている木材、窓ガラス、間口の格子や土間、暖簾などの細部に至るまで、今では手に入らない素材などがふんだんに使われており、建物好きな方にはたまらない空間です。例年、桜の見頃の季節には2週間ほど一般公開しており、平井さんは「新しい企画も考案中」とのこと。由緒ある店蔵の雰囲気に、深い歴史を感じみてはいかがでしょうか。
宮城県柴田郡柴田町船岡西1-3-2[ 地図 ]
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Tel.090-7339-9690(ご担当平井様)
槻木駅近くの住宅地で営業する「石臼挽手打 そば日和」。「看板を出さないで、ひっそりと隠れ家のようにやっています」といたずらっぽく笑うのは店主の加藤喜実夫さんです。同店は加藤さんが家族との時間を増やすために、脱サラして2011年にオープン。蕎麦打ちの技術は、江戸前蕎麦の本場・東京の蕎麦屋に住み込んで学びました。
加藤さんは「開店当初は納得のいく蕎麦が打てていませんでしたね」と振り返りますが、試行錯誤を重ねながら美味しさを追求し、2017年に発行された『ミシュランガイド宮城』ではコストパフォーマンスが評価されビブグルマンに選定されました。「天候や時間の経過などで毎日変化する蕎麦の状態を感じながら、気持ちを込めて丁寧に打つことを心掛けています」。
今回は「せいろそば(750円 税込)」をいただきました。加藤さんが打つ蕎麦は、石臼挽きの蕎麦粉を使用。仙台市の秋保在来種をメインに季節ごとに北海道や青森県産をブレンド。粗挽き感のある豊かな食感の二八蕎麦に。細く切られた蕎麦を「江戸前よりも塩辛さを少し控えた」というつゆにつけていただくと、のどごしがよい蕎麦の味と香りが口いっぱいに広がります。
また、女将さんが手掛ける付け合わせの出し巻き玉子は、愛嬌たっぷりの人柄を表したようなやさしい甘味で蕎麦との食べ合わせもぴったりです。
お店には季節限定のメニューもあり、春夏限定の「揚げナスの冷やかけそば(980円 税込)」はさっぱりと爽やかな味わい。豚肉・鶏肉・季節の野菜の3種類から選べる「カレーそば(980円 税込)」も人気です。
「一期一会という言葉が好きなんです」と加藤さん。「その気持ちを大切に、これからもお客さんとお付き合いできれば」と話してくれました。
宮城県柴田郡柴田町槻木下町3-2-4[ 地図 ]
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Tel.0224-66-3253
柴田町の山あいに佇む、陶芸工房「花いかだ」。訪れてみると、陶芸工房と聞いて想像していたイメージとの違いにびっくり!天井は鮮やかなドライフラワーで飾られ、大きな窓ガラスからは陽光がたっぷり取り込まれて開放的な雰囲気。テーブルに並べられた陶器がなければ、まるでカフェのようです。「大学で陶芸を学んだ後、6年前に夫とこの工房を開きました」と話してくれたのは陶芸家の氏家香織さん。ご夫婦で作品づくりに励み、氏家さんは陶芸体験や陶芸教室で指導にもあたっています。
「陶芸体験が陶芸の面白さを感じる入り口になってほしいですね」と話す氏家さんが大切にしているのが「日常使いできる陶器を作ってもらうこと」。「ここで陶芸を体験して終わりではなく、実際に毎日使ってもらうことで手作りの陶器が手に馴染み、生活を豊かにしてくれる喜びを感じてもらいたいと思っています」。そのために花いかだでは他の工房に比べて、現代の暮らしに合った明るい色味の釉薬を幅広く用意しています。
お皿や茶碗、一輪挿しなどを作ることができる予約制の陶芸体験は①電動ろくろコース(3,500円 税込)②テーブルコース(2,750円 税込)から選ぶことができます。電動ろくろコースでは約40分の間に3点ほど陶器を作ることができ、そのうちの1点を後日、氏家さんが焼き上げてくれます。また、テーブルコースでは卓上でタタラ作りという手びねりの技法で陶器を作り、葉っぱなど好きな模様を付けることもできます。「お客さんの9割は初心者の方ですが、みなさん上手に作られますね!もちろん色々とアドバイスもします」と氏家さん。Instagram(hanaikada_pottery_room)で積極的に情報発信しているので、気になる方はぜひチェックを!
宮城県柴田郡柴田町富沢猪倉15-2[ 地図 ]
HP:https://hanaikada.wixsite.com/hanaikada-c-s
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Tel.0224-87-6687
おいしいコーヒーをお探しの方は、今年創業21周年を迎えたコーヒー焙煎店「フリゴレス」へ。お店には季節の限定品を含め、世界の産地から仕入れた約40種類のコーヒー豆がずらり!マネージャーの畑山良恵さんは「豆を挽く加減もお好みに合わせられるので、きっとお気に入りのコーヒーが見つかるはず」と話します。
同店のこだわりは注文を受けてからコーヒー豆を焙煎すること。焙煎から時間を置いて販売する店が多い中、普段はなかなか味わえない新鮮なコーヒーの味と香りを堪能することができます。
お店にはカフェも併設されており、月替わりで10種類ほどの中から一杯一杯丁寧に淹れたコーヒーを味わうこともできます。その日の気分に合わせて好きなコーヒーカップを選ぶことができるのもうれしいポイント。
この日、いただいたのは春限定の「さくらブルボン(550円 税込)」。畑山さんはコーヒーを淹れながら「ドリップした時に粉が膨らむのが、鮮度がいい証拠です」と説明してくれました。コーヒーは桜を思わせる爽やかな香りが広がる飲みやすい一杯でした♪
また、お店ではランチメニューを提供しています。その中でも根強いファンを持つのが一番人気の「スリランカカレー(880円 税込)」。創業者である先代がスリランカを旅行しているときにその味に感動し、自ら作りお店で提供するように。鶏肉やにんにくなど厳選した国産素材を使用し、コリアンダーやシナモンなど独自配合したスパイスを焙煎してつくられる一品は、辛みを抑えながらもしっかりと旨味を感じることができます。コーヒーと共にこのカレーを目当てに訪れる方も多く、隣のテーブルで食べていた男性は「うまい!」と何度も口にしていました。
宮城県柴田郡芝田町船岡新栄2-3-3[ 地図 ]
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Tel.0224-58-1032
お子さま連れの方におすすめのスポットが自然休養村「太陽の村」です。4ヘクタールを誇る広大な敷地では、芝生の上を走り回ったり、そりで滑ったりと思い切り体を動かすことができます。施設では遊具の貸し出しも行っており、取材日も午前中からたくさんの子どもたちが遊んでいました。
「幼児遊具」のエリアには、キリンの形をした滑り台など可愛らしい遊具が。そこから少し歩いた先には跳んだり、跳ねたり、滑ったりとさまざまな楽しみ方ができ、子どもたちに大人気の巨大トランポリン「ふわふわドーム」が設置されています。
「キッズバイクパーク」にはキッズバイクコースとマウンテンバイクコースの本格的な2つのコースが完備。マウンテンバイクコースは大人も利用可能で、お子さまと一緒に走行も可能です。
施設は標高200mの高台にあるため開放的な雰囲気で、蔵王の雄大な景色を眺めながらのピクニックにも最適。季節ごとに桜や藤、紫陽花などの花々が咲き、野鳥の姿も。周囲には散策道が整備されているため、大人も自然の中でのびのびと過ごすことができます。
宮城県柴田町大字本船迫字上野4-1[ 地図 ]
HP:https://www.skbk.or.jp/spot/view/taiyounomura.html
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Tel.0224-56-3970(柴田町観光物産協会)
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