Vol.025
東は石巻市、西は松島町に隣接している東松島市。南部には日本三景・松島の一角を占める奥松島があり、絶景や歴史を満喫できるスポットがいっぱい!市街地には個性あふれる店舗が点在し、ここでしか味わえないグルメや体験にあふれています。
※新型コロナウイルス感染拡大により、記載の情報が現況と異なる場合がございます。お出掛けの際には事前にご確認ください。
※価格はすべて税込です。
店内の至る所に力士の写真や手形などが飾られている「ちゃんこ萩乃井」は、「萩乃井」の四股名で力士だった大森宣勝さんが営む飲食店。現役時代に食べていたちゃんこ鍋などが味わえるお店です。
同店の看板メニューの一つが、東松島名物の「のりうどん」。「東松島の海苔のことを知ってもらえますし、自分が作り上げたものを多くの人に食べてもらえて嬉しいですね」と話すのは、のりうどんを開発した大森さん。その誕生のきっかけは2000年代前半に行われた商工会の特産品開発でのこと。「大曲浜に海苔漁師が多いのは知っていましたが、何年も連続で皇室献上品になっていると聞いて、とても驚き、その海苔を広めたいと思ったんです」。ちょうど店に製麺機を仕入れたタイミングも重なったため、うどんに海苔の粉末を練り込むアイデアを思い付きました。
漁業協同組合などの協力を得ながら、商品化を目指した大森さんでしたが、納得するものができるまでに5年以上の歳月を費やしました。「麺の太さや海苔の含有率など、海苔の風味を活かすために試作を何度も繰り返しましたね」。
そして、のりうどんが完成したのは2010年11月。それまでになかった斬新なメニューと味から注目を集めましたが、数カ月後に東日本大震災が発生。店や倉庫が浸水し、海苔の粉末もすべて失ってしまいました。また、地域の海苔や養殖設備などがすべて流され、のりうどんが復活したのは震災から約2年後のことでした。
「復活してからもテレビや雑誌などの取材が押し寄せ、とてもありがたかったですね。今でものりうどんを求めて県内外から多くの方がいらっしゃいます」と大森さんは話しました。
今回いただいたのは「冷たい天ざるのりうどん」(1,470円)。のりうどんと、揚げたての天ぷらのセットです。
のりうどんは、一見蕎麦のような見た目。「海苔の香りをしっかり感じられるように」(大森さん)と、麺はざるうどんで食べるのに最適なように細く切られています。また冷たい水でキュッと締められており、ツルツルとのど越しが良く、磯の香りが口の中に広がります。
「のりうどんは旨味調味料や添加物などを一切使用していないので、海苔の風味が引き立ちますし、安心安全です」と大森さん。店内ではのりうどんの乾麺なども販売しているので、お土産としてご自宅でも味わうことができます。のりうどん発祥の店に立ち寄ってみませんか。
宮城県東松島市矢本字河戸29-2[ 地図 ]
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Tel.0225-82-2478
2021年3月に開業した「奥松島クラブハウス」。敷地内の「もみじ回廊」や「盆栽庭園」では四季の移ろいを感じることができ、さらに東松島の海の幸を味わえる店舗などが営業しています。
その中の一つ、クラブハウスの受付棟に併設しているのが「のびるノ茶屋」。「県内初の焼きいも専門店としてオープンしました」と話すのは、クラブハウスの飲食部門を担当する菊田さんです。「原料のさつまいもは季節や商品に合わせて、主に石巻産、東松島産、宮崎産のものを使用しています」。
同店の看板メニューが「超熟成つぼ焼きいも」(大380円、中310円)。特製のつぼの中で、炭火でじっくり焼き上げることで、しっとり甘く、ねっとりとした食感に仕上がります。「1時間半から2時間ほどかけて焼き、また均一に熱が伝わるように時折さつまいもの向きを変えるなど、通常の焼きいもより手間暇を掛けて作っています」と説明してくれました。
この日の焼きいもは、石巻産の紅はるか。熱々のさつまいもを頬張ると、ホクホクとした甘味が堪能できました。
「つぼ焼き大学いも」(380円)は、贅沢に超熟成つぼ焼きいもを大学いもにした一品。甘さ控え目のタレに絡んださつまいもは、皮の部分がカリッとしていて、やみつきになる食感です。菊田さんによると「さつまいもソフト」(380円)のトッピングとしても人気とのことでした。
また、さつまいもを焼いてから干した「ほし焼きいも」(420円)はテレビなどでも取り上げられ、度々品切れになるほどの人気商品。
クラブハウスの庭園や隣接する公園を散策しながら、秋の味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。
宮城県東松島市野蒜字北余景15-1(奥松島クラブハウス)[ 地図 ]
HP:https://omch.jp/facility/cafe
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Tel.0225-98-8123
2022年10月に開館30年を迎えた「奥松島縄文村歴史資料館」。資料館には、隣接する里浜貝塚から出土した縄文土器や骨角器、石器、装身具、主な食料だった魚や獣の骨などが展示されており、縄文人の知恵と生活を知ることができます。
松島湾沿岸は貝塚が密集する地域として知られており、里浜貝塚は縄文時代前期(約7000年前)から弥生時代中期にかけての集落跡。保存状態が良好な貝塚が広範囲に残存し、その規模は日本最大級(東西約640m、南北約200m)です。
壁一面の貝層断面は、約2800年前の貝塚を剥ぎ取ったもの。アサリを中心に貝殻や動物の骨、土器などがぎっしり詰まっており、間近で見ることができます。
館内の展示は子どもでも楽しめるように工夫されており、丸木舟の上からマグロを狙う縄文人の立体模型や、骨の模型からわかる縄文人大解剖コーナー、当時の暮らしぶりを復元したイラストパネルなども展示されています。
また、映像シアターでは、縄文時代の里浜に生きた“げんちゃん”一家の暮らしを再現した「JOMON-今、蘇る縄文-」を観賞することができ、子どもでもわかりやすく縄文時代の生活を学ぶことができます。
週末には事前予約制で「縄文体験」を開催しており、火おこしやアクセサリー作り、土器作りなど、親子で楽しめる体験が目白押し。興味がある方はぜひ、参加してみてはいかがでしょうか。
宮城県東松島市宮戸字里81-18[ 地図 ]
HP:http://www.satohama-jomon.jp
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Tel.0225-88-3927
住宅街の一角にある、グリーンの屋根とドアが可愛らしい店舗が2021年11月にオープンした「米粉のおやつ 366(サンロクロク)」です。同店では小麦、乳製品、卵、白砂糖を不使用。国産米粉や豆乳、てんさい糖などを原料に、マフィンを中心としたグルテンフリーで安心な焼き菓子を販売しています。
この店を開き、お菓子を一つひとつ手作りしているのが店主の木村さん。カフェなどに勤務し、「いつかはお店を持ちたい」と思っていた木村さんが同店を始めた理由は、お子さんが小麦アレルギーになったこと。「アレルギーがあると行ける店やメニューが限られてしまうので、みんなで同じものを食べられる店にしたかったんです」。
以前、アレルギーを持っているというお子さんと訪れたお母さんが「この中から好きなの選んでいいよ!」と、親子で嬉しそうにしていたのが印象に残っていると話してくれました。
野菜やフルーツなどの食材で作られるマフィンは、毎日10種類ほどが店頭に並び、季節限定のメニューも。どれも米粉のモチモチした食感と、やさしい甘さで、素材の味が十分に楽しめます。
お客さんの半分以上は、食べ物のアレルギーなどがない人。余分なものが入っていない安心感はもちろん、マフィン自体のおいしさを求めて訪れる方が多くいます。「今後はケーキなどのメニューも増やして、クリスマスやお誕生日に食べてもらえるようにしたいですね」と語りました。
テイクアウトしたマフィンは「レンジで少し温めると、ふっくらするのでおすすめです」と木村さん。落ち着いた雰囲気の店内ではイートインも可能。こだわりのコーヒーとともに、マフィンを味わってみてはいかがでしょうか。
宮城県東松島市大曲堰の内南65-21[ 地図 ]
HP:https://komeko366.base.shop
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Tel.070-1147-5950
東松島市には展示飛行部隊「ブルーインパルス」が所属する、航空自衛隊松島基地があり、まちの至る所にモニュメントが飾られています。またタイミングが合えば、上空を飛行する訓練の様子なども見ることができます。
そのブルーインパルスグッズを豊富にそろえているのが、矢本駅の目の前で営業する「東松島あんてなしょっぷ まちんど」です。その他に店内には、東松島市の生産者が作る加工食品やお菓子なども置かれ、広々としたカフェスペースもあります。
ブルーインパルスコーナーには、Tシャツやキャップ、ワッペン、文房具、おもちゃといった定番のアイテムから、日本酒やサイダーといった食品まで並んでおり、地元の笹かまぼこも。
店長の三塚さんによると、ブルーインパルスに特化した品揃えは、国内屈指。県外からも多くのブルーインパルスファンが訪れるそうです。
加工品で人気なのが、東松島特産の海苔製品。焼き海苔や、ちゃんこ萩乃井の「のりうどん」なども手に入ります。
カフェでは、地域の果物や旬の野菜などを素材にしたスムージーがイチオシ。「いちごスムージー」(400円)は市内の「イグナルファームいちご園」で採れたものを使用しており、さっぱりとした甘さ。季節限定の味わいも登場します。
お土産探しや、一休みにぴったりの同店。旅の途中に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
宮城県東松島市矢本字河戸342-2 1F[ 地図 ]
HP:https://www.machindo-higamatsu.com
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Tel.0225-83-3391
幅広い年齢層の方が次々と訪れるのは、石巻圏域の農産物や加工食品などの直売所「Harappa」。2016年にオープンし、2019年のリニューアルから同店を経営するようになったのは、松岡勝久さんです。
同店の近くで「松岡生花店」を営んでいる松岡さんは、経営が厳しくなっていた同店を引き継いだ理由について「傾いている店を立て直したら、かっこいいんじゃないですか!」と笑いますが、その根底には使命感がありました。「Harappaが地域の生産者さんの生産物が集まるハブとなっていたので、地元のためにも守らなければいけないと思いました」。
同店の最大の魅力は、新鮮な野菜がお手頃な価格で手に入ること。松岡さんは「旬の野菜などが、とにかく安いんですよ!」と力を込めました。
また「お客様とのface to faceの体験も大切にしたいですね」という松岡さんは自らハンドルを握り、買い物ができない高齢者のご自宅などを回っています。
また毎週金曜日には、2022年4月に東松島市内にオープンした「TARO BAKERY」のパンが店頭に並ぶなど、これからも地域の多彩な品が続々登場する予定です。
今後について松岡さんは「さまざまな体制を整えて、ようやくスタートラインに立ちました。『名前は聞いたことがあるけど、どこにあるの?』といった話をよく聞くので、これからは店の知名度を上げていきたいですね。あと、元々花屋なので花も充実させたいですね(笑)」と新しい店づくりを見据えていました。
東松島の食と人に会いに、ぜひ立ち寄ってみたいお店です。
宮城県東松島市矢本字北浦485-1[ 地図 ]
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Tel.0225-24-6740
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